珈琲豆の選び方
当店では「爽やかな珈琲」「香味深い珈琲」「濃厚な珈琲」と分類しています
気になる分類を選び、グレードを考慮してお選び下さい
芯まで火の通らない浅煎り、苦みが支配する深煎り、はしていません
「焙煎度で作る味」ではなく「珈琲豆が持つ味」を生かす焙煎を心がけています
高品質の爽やかさ(嫌味の無さ)が前面に出た豆です 当店初めてのお客様にはお勧めしません
(「爽やかさ」が「味が薄い」と誤解されがちです) 「爽やかさ」はオークションで入賞するために
欠かせない要素で、COE常勝農園などで如実に表れます 低価格では実現しないので、ラインナップ改正でアイテムを絞りました
クリスプ! Crisp!
ブレンド グァテマラ・レターナが値段があがってしまい、先日までこちらで旧豆のご紹介でしたが、同じくグァテマラのブレンド「Crisp!」も旧値段で最後のご紹介
Crisp!はカッピングの時使われる用語で、直訳ですと「パリパリした」ですが、カップ用語ですと「柑橘系の爽やかさ」を指します 良い豆のベースに柑橘系の香りを配合したブレンドです カッピングでもなかなか出会わない香味ですので、こちらをブレンドで出すには覚悟がいりますね 当店の爽やか系の代表的ブレンドです
珈琲発祥地エチオピアや隣国ケニアが香味の強さで有名です 近年これらを移植・品質改良したゲイシャ種やパカマラ種もスペシャルティでは有名ですが、まぐかっぷの味方では無いので(超高価格)扱っていません 「香味深い珈琲」の香りの個性は分かり易いので当店初めての方にもお勧めです
豆袋を開けた香りは目がくらむほど(この香りをカップに落とすには金属フィルターが必須) 毎日の珈琲の良きアクセントになります
ブラジル・ミナス Kaquend
ストレート '08COEで優勝、ミナス地区を一気に名地域にのし上げた農園 ブラジル来訪時に訪問したので、当店とも馴染みの深く、一緒に成長したような親近感があります 当時珍しかった精製時に果肉を残して乾燥させて旨みを吸わせる「パプルアンドナチュラル」を採用し、のし上がってきた地域です
爽やかさや果実香が素晴らしいです 勿論、ブラジルらしい香ばしさもありますが、旨みや香りが先行し全体の印象を包んでいます 香りの傾向はオレンジの柑橘系 廉価品用に仕入れましたが「旨すぎでしょ」と店主を唸らせた逸品
東海岸
ブレンド 廉価品のベースに香りの豆の配合のブレンドでしたが、ベース豆のレベルを上げたことで「え?Crusp?」と高価格帯ブレンドを想像させるまでになりました 同時に香りの印象を付ける「もか」も高価格になったため値上げです
特徴的な良い香りのモカを味わえます 柑橘系の良い果実香です ベース豆がかなりレベルアップしたのでクリアなキャンバスも申し分ありません ベースがクリアになったことで香りがより際立ちます 後味が綺麗になります 甘みも強く格段に美味しくなったブレンドです
湘南
ブレンド 当店代表作Cafaブレンドとも言えるもの 香りの豆を多く使った香りの競演ブレンドです 開店当初よりありますが、品質向上が著しく「爽やか系を中心に良質の香味を添えたブレンド」として進化しました 当店らしい特徴が詰まったブレンドになります
'25 10月にベース豆も新豆となりました 白状するとベース豆もケニア以上に値上げになったため「ベース豆を変更しています」 そのことで価格維持が可能になりました いえ、手抜きはありません、香味は昨年同様で豊かで、爽やかさは昨年より上がっているぐらいです 香味の強さ、本来の爽やかさ、そして全体を包む甘みがあります これが 「当店代表作」です ケニアの完熟果実の香りが生きた素晴らしいブレンドです
エチオピア・ベンサ Shentawane
ストレート '21COEで一位二位独占のベンサ地域の豆です 農園は違いますが、テロワールは折り紙付き そもそもイルガチェフもグジも同じシダモ地区ですが、今回の豆はグジ地域のような柑橘系の特徴を持ちます 今年から「ベンサ」でご紹介
今年も豊かな柑橘系の香りです ニエリとも違うシトラス系の香りにまず魅了されます そして、とても爽やかで甘みのある豆です、アフターの余韻がたまりません 入港したばかりですが、今年は最初から香味全開で豊かです 触らない「お代わりしたくなる香味」柑橘が特徴的なベンサを味わって下さい
ケニア・ニエリ Gathathi
ストレート 完熟果実の香り、至高の香りケニア・ニエリが4年目の安定供給です ただ、この品質を日本で扱えることは奇跡なのを忘れないで下さい 長年、手配に苦しんできた私には未だに奇跡です 開店以来、ニエリを見守って分かりましたが、ケニア>ニエリ地区>有名生産者組 からしか、この他を圧倒する香味は出てきません
グジの柑橘系より強い、カシス系の奥深い香味です(ニエリであっても柑橘系の香りもあり) 当店が毎年追い求めている「これぞニエリ!」の素晴らしい香りです この香りに出会う度、私はのけぞって感動してしまいます 例年、入港から徐々に上がっていく香味も今年は最初から豊かです 毎年言っていますが、品質的にも、金額的にも、入手困難的にも、「これだけの品質は"今回が最後"」と思って味わって下さい(そう毎年が最後、最高の出会いに感謝して味わい尽くしましょう)
濃厚さの珈琲には煎りが深いものが集まっています(とはいえ当店では2ハゼピークまで) 煎りを深くしても特徴が消えない個性の強い豆・甘みの強い豆が中心です より原生種に近いアフリカの豆や、結実の硬度や味の濃縮度で優れた高山地産などが選ばれます 甘みの深煎りフレンチを中心に、苦味のインドネシア、高品質系深煎りのショコラなどがあります
ブルンジ・ンゴジ Musenga
ストレート いつものカヤンザ地区ではなく、地域振興で開発されたンゴチ地区よりご紹介 新地区とはいえ、ブルンジらしい味の濃さは健在 深煎りにしても負けない個性をもった豆です
廉価ですが珈琲発祥地アフリカ、そしてブルンジらしさは全開です 甘みやオイリーさに優れ、ボディも豊かで、非常に味の濃さを感じさせます 極端な苦味や香りの強さが無いことで、かえってスペシャルティ珈琲の味の濃さを学ばせてくれる珈琲です
えぼし
ブレンド 「苦みに特徴を持たせたブレンド」です 6月迄の美味しい方がメインになりました ベース豆が向上したことで良い苦味と甘さの競演ブレンドに進化 以前のえぼしとは違う爽やかさも伴った濃厚さです
マンデリンのスパイシーはスペシャルティでも別評価される香味で、ジャバとして親しまれてきました そのジャバの苦味を生かしたブレンドです 単品で個性の強過ぎるジャバを、あえて甘みやベースのしっかりした豆とブレンドして、際立つ個性を毎日飲めるブレンドにしました フレンチとは違った美味しい苦味の個性をお楽しみ下さい
フレンチ
ブレンド 「深煎り甘みのブレンド」です 深煎りして甘みが際立つ豆をベースに、「深み」を加えるため、品質の良いナチュラルを加えたブレンドです
湘南同様、毎年ブレンド変更・品質向上に余念の無いブレンドともいえます アイス珈琲やエスプレッソにもお勧め [前]当店深煎り代表作
毎年改定して作り出した「深み」は替えが効きません ここ数年で甘みがUP、深みもUP、数年前とは別ブレンドです テーマは「甘みを生かした濃厚さの珈琲」のブレンド 他の食べ物と併せても決して負けない「濃厚さ」は家庭常備のブレンドとして間違えありません アイスやエスプレッソにもお勧め 欠品になった「ミナス」の代わりはこちらです
ショコラ
ブレンド ずっと「雑味」は味の濃さが求められる深煎りには必要だと思っていました マンデリンの土臭さ、ナチュラルの過熟香は深煎り好きの方に人気です その長年珈琲屋としてのテーマであった「スペシャルティの味の濃さ」を「美味しさだけ」、ボディや甘みやオイリーさだけで実現したブレンドです
まさしくスペシャルティで評価される「味の濃厚さ」、甘さ・オイリーさ・ボディ・香味が豊かな珈琲です スペシャルティ珈琲の「爽やかさ」を全面に出しながら、「味の濃厚さ」を実現したブレンドになっています 当店の思う美味しさ「飲み終わった後にお代わりしたくなる珈琲」です 店主の独断で「当店の深煎り代表作」はこちらにさせて頂きます
スマトラ・マンデリン Pollung Alfiner
ストレート 日本では劣悪品ばかりだったインドネシアに、昔イギリス輸入業者のサンプルで一度だけ出会った(かってヨーロッパ専売だった)、インドネシアとは思えない果実香を感じさせてくれます インドネシアとエチオピアは、その入手困難さから、店の珈琲品質が出ると思います
スペシャルティでもマンデリンは別評価 「ウッディ」な香味がマンデリンの良さであり、特徴です Pollung Alfinerは「力強いリントン香」を持ちながら、稀有な果実香も感じさせる良品です リントン香は「クリアが劣る」とも捉えがちがちですが、果実の香りでカバーされ、印象的なスパイシーさが飲み手の心を掴んで放しません
モカ・ジャバ MOCHA JAVA
ブレンド ブレンドとしてはあまりにも有名な組み合わせ 香りのエチオピアとジャバの苦味を合わせたブレンドです 当店オリジナルは「あまりにも美味し過ぎる!」と発売になりました 両者の相性が良くないとダメ、在庫がタイトだと作れない、2年ぶりに実現した奇跡の競演をお楽しみ下さい
当店としては珍しい「超濃厚ブレンド」になりました 深煎りにしても印象的なモカと入手困難なジャバの競演ですが、そこは当店の豆ですから印象度が半端ありません。ジャバの濃い苦味を強い香りのモカが包み込んで、新しい濃厚さを作り出しています 万人受けする「濃さ」を持ったブレンドです